PRESS RELEASE:"五祥" が「最大グラブ浚渫船」としてギネス世界記録TMに公式認定されました。
(株)小島組のグラブ浚渫船"五祥"が「世界最大グラブ浚渫船」として、ギネス世界記録TMに公式認定されました。
(株)小島組(以下「小島組」)が、住友重機械工業(株)、川崎重工業(株)、ウォルターフンガーGmbH&Co.KG(ドイツ)の協力を得て建造したグラブ浚渫船*"五祥"が最大のグラブ浚渫船としてギネス世界記録に公式認定されました。
正式記録名:LARGEST GRAB DREDGER
認定記録:グラブバケット
容量容量:200m3(7.062 ft3 1,607 in3)
高さ 8.84m(29ft)
幅 12.92m(42ft 4in)
長さ 5.85m(19ft 2in)
(容量は3Dレーザースキャナーによる計測)
現在 "五祥" は、2016年3月からシンガポールのテュアスフィンガーターミナル工事で稼働中です。
*グラブ浚渫船とは、グラブバケットで海底を掘削する作業を行う作業船のことです。航路の増深や拡幅に使われているほか、最近では海底資源の掘削方法としても注目されつつあります。
■ "世界最大"を実現した"五祥"のカウンターウェイト方式
"五祥"はグラブバケットを昇降するための浚渫機にカウンターウェイト方式を採用しています。一般的なグラブ浚渫船は、バケットと土砂を直接ウインチで巻き上げる方式で、バケットの大型化には、ウインチの巻上能力の限界が壁となってしまいます。
そこで、小島組が考案したカウンターウェイト方式は、上下動にカウンターウェイトを利用し、グラブバケットの自重とバランスさせ、土砂重量分のみを油圧昇降シリンダーで引き上げる方式です。これにより、機構がシンプルになり、かつ動力の省力化が図られ、バケットの大型化が実現できました。
■ 電動油圧式グラブバケットの仕組み
"五祥"に搭載されているバケットは電動機及び油圧装置内蔵型バケット。バケットは、シェル部、フレーム部、油圧ユニット部、シリンダー部、吊金具部で構成され、機械的には、油圧装置で発生した圧油をシリンダーに供給することでシリンダーを伸縮させ、バケットに開閉運動を行います。給電方法はケーブルリールによります。
■ "五祥"主要仕様
グラブバケット
:自重 370トン
:容量 200m3 (10トントラック40台分相当)
:開閉時間 閉じ時間 26秒 開き時間18秒
:支持ロープ φ60mm 16本吊
:使用電源 主ポンプ用600V60Hz3φ 補助ポンプ用 600V60Hz3φ 操作回路用220V60Hz1φ
:電動機 主ポンプ用132kW 8台 補助ポンプ用7.5kW 2台
:開閉用シリンダー φ580x430x3100 mm 2本
:ポンプ 定格350kgf/cm2 最大400kgf/cm2 8台 流量450L/分
:つめ 10本 (1本の長さ850mm、重量約400kg)
グラブバケット昇降シリンダー
:サイズ Ø970x660x19.800 mm
:最大伸長 約20m
船体寸法
:幅 36m
:全長 100m(バレーボールコート22個分)
:高さ 60m (20階建てビルに相当)
:満載喫水 3.6m
浚渫機
:電動油圧旋回式
:巻上能力 690トン
:作業半径 31m
:浚渫深度 48m
:水面上揚程 10m
:巻上げ速度 空中 0.758m/秒 海中 1.075m/秒
:巻下げ速度 0.905m/秒
:旋回速度 0.6回/分
:旋回角度 ±155°
■ ギネス世界記録挑戦の背景
2000年に建造された"五祥"は、2011年より、海外の大手浚渫会社のオファーを受け中東やアフリカで稼働。その後2014年に"五祥"も海外でのより浚渫深度の深い大規模プロジェクトでの稼働に備え、大規模改造・開発を開始、2016年1月に改造が完成しました。超大型の昇降用シリンダー製作にあたっては、日本に製造会社がないため、ドイツのメーカー・ウォルターフンガーに依頼することになりました。重機の構造物部分は、住友重機械工業が担当し、油圧機構は、川崎重工業が担当しています。この大規模改造を機に、ギネス世界記録のルールに則った世界記録にチャレンジをすることにいたしました。
※ギネス世界記録®はギネスワールドレコーズリミテッドの登録商標です。
■ 小島組の概要
(1) 名称 株式会社 小島組
(2) 本店所在地 愛知県名古屋市港区木場町1番の6
(3) 代表者の役職・氏名 代表取締役社長 小島徳明
(4) 事業内容 浚渫埋立及び土木一式工事請負並びに付帯関連業務一般
(5) 資本金 9,000万円
(6) 創業 1919年6月
(7) 設立 1941年12月
報道関係お問い合わせ先 株式会社 小島組 海外統括 事業開発部
Phone: 052-691-7040